最終更新日 2024年3月26日 by 1stcdoreg

薬の高額化が止まらない理由とは?

これからの製薬会社に求められる事は価格の高騰化を防ぐということになるのかもしれません。というのは今は薬の高額化が止まらない状況になっているからです。この一つの要因と考えられるが新薬開発の高コスト化です。

新しい薬を開発することがどんどんと難しくなってきているので、これに伴ってさまざまなコストがかかるようになっているわけです。基本的に新薬というのはこれまでにはない薬を調合したり、見つけたりすることですから、単に見つけて終わりではなく、さまざまなテストなども行ってその効果もデータとしてまとめる必要もあります。

そうなると、見つけるだけでも大変なことが、さまざまなデータ取得やその分析、安全性の確認などで膨大な時間と費用、人材と材料費などを必要とするものとなり、これが無制限にコストアップにつながるという事になってしまっているからです。

そして、今の保険のシステムがこれを助長しているような形になっていることも挙げられます。というのは日本は国民皆保険制度を採用している事です。この制度は誰もが安く医療のサービスを受けられるシステムと考えられていますが、実はそうではなく全員で全員の医療費を負担しようとしているシステムです。

そのため医療機関の治療を受けない人でも高額な保険金を払う事になり、高額な医療サービスを受けている人は、それなりの負担で済むというだけのシステムだということに注目をする必要があります。そして、この制度においては上限が無いという事も特徴になっていて、どれだけ高い保険料であってもこの制度を受けることが出来るという事になっています。

国民皆保険制度の維持継続には低価格化が必要

これはもともと高い保険料負担をしなくて済むように考えられたものですから、当然と言えば当然の考え方ですが、上限が無いという事は、製薬会社がどれだけ高い薬を開発してもその代金を回収することが出来てしまう制度になっているわけです。

そうなれば、製薬会社はどんどんと高額なものを開発するようになるでしょう。何しろ利益が高額なもの話ほど大きくなるわけですから、これはそうしなければ損という考え方も出来なくはありません。

ですが、これをされるとたちまちこの国民皆保険制度が破たんすることは目に見えています。何しろ高額な費用は全て保険料として一般の人から回収されていくわけですから、これが国民を圧迫することは目に見えています。

今でも高額な健康保険料を納付できないでいるという人は数多くいるわけですから、それに加えて製薬会社が新薬を開発する度に費用はどんどんとかさむ一方という事になってしまうのです。

それなら新薬を保険の対象外にすればいいという考えもありますが、これはなかなか現実的ではありません。新薬はそれなりの需要がある事を見越して開発されているので、これを保険の適用外としてしまうと、何のための国民皆保険制度なのか分かりません。

この屋台骨を討ち砕く考え方という事も言えるでしょう。ですからこのシステムの維持継続を考えても薬代の低価格化というのは必要不可欠になっているといっても良いはずです。

薬代の低価格化には医薬品をジェネリックへの変更が必要不可

そのためには、これまでの医薬品をどんどんとジェネリックに変えていくという事も必要不可欠でしょう。基本的にジェネリックでも効果が変わらない事は分かっているわけですから、無駄に高いものを使う必要はありません。それが保険と絡んでいるという事になればそれは当然というよりは義務ということにしてもいいぐらいです。

何しろ保険料の負担を個人がしているわけではなく、社会全体の福祉としてしているわけですから、これに個人の考えだけで薬を選んでいられないという事は明白でしょう。今の健康保険の費用負担の割合は個人が3割という事になっているわけですから、僅か3割の人の考えで薬の選択が決まってしまうという事はおかしなことになっていると言わざるを得ません。

これだけ薬代が健康保険の屋台骨を揺るがすような事態になっている状態でこうした薬の低価格化というのは国家としても考えていく必要がある事だといってもいいでしょう。

薬が自由競争の経済活動のように選択されているというわけではなく、国家が絡むシステムの中で選択をされていて、保険の適用かそうでないかが国家のシステムの存続に関わるような事態となっているとあれば、その必要性はどんどん大きなものとなっていると考えてもいいでしょう。

島田製薬などの製薬会社だけで価格を決めて良いものではなくなるはずです。ですが現状は製薬会社の意のままに価格を決めてしまっているという事になっています。そして、それを押し付けるようになっているのが今の制度という事にもなっているわけです。

自由競争でなく、国家が管理する保険というシステムの中で運用されるものであるのであれば、それは当然国家も関与して価格を決定していく事も必要になるでしょう。そうしなければね高くて意味がなく薬が出て来ることにもなりかねません。