若い頃から何をやっても三日坊主だった私が唯一、その想いが途切れることなく愛し続けていられたのが音楽でした。
武蔵野音楽大学時代から軽音楽部に所属し、エレキギターをかき鳴らしていました。
社会人になってからも勢力的にライブ活動をつづけていました。
一度は証券会社に務めるサラリーマンをやっていましたが、給料は安定しているものの同じようなことの繰り返しな毎日と、お金を扱う裏の世界の汚さに嫌気がさして辞めてしまいました。
仕事が向いていなかったというのも理由のひとつですが、やっぱりたった一度の人生で大好きな音楽を仕事にしたいという思いが強かったのです。
それから2年間くらい、売れっ子ミュージシャンを目指して、インディーズレーベルからCDを出したりもしましたが、現実はそれほど甘くはありませんでした。
ほとんど売れることなくバンドは解散し、アルバイトをしなければ生活が成り立たなくなったのです。
音楽でご飯を食べる道を諦めかけたとき、まだスタジオミュージシャンという選択肢が残っていることに気付きました。
売れるミュージシャンになるためには音楽の技術だけでなく見た目の華やかさや個性が必要です。
しかし、スタジオミュージシャンはそういうアーティストを裏で支える立派な音楽の仕事です。
さっそくスタジオミュージシャンになるための勉強をはじめました。
扱える楽器はギターだけでしたが、ピアノを独学で学び、それによって楽譜を読めるようになりました。
また、DTMなどのコンピューターミュージックの知識も得て、自分の音楽の世界観が随分広がりました。
ある大物のプロデューサーに自分を売り込んで認めてもらい、今はスタジオミュージシャンとして活動をさせていただいています。
やってみて、自分がやりたかったことはこういうことだったんだと思いました。
スタジオミュージシャンをやっていると様々な才能をもったアーティストに出会えます。
金の卵である逸材と仕事ができる喜びは言葉にできません。
一口に音楽と言っても、こんなにもたくさんの個性があるんだと、目からウロコが落ちる思いでした。
また、スタジオでの作業は芸術性でなく、その音がなぜ心地よく聴こえるのか、論理的に説明をしなければならない場面が多く、知識も自然に増えます。
思わぬ人との出会いは、音楽学校に通うのと変わらないくらいの貴重な理論を得ることができます。
なにより、ジャンルにこだわらずに仕事ができるのが一番良いところです。
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最終更新日 2025年3月19日 by 1stcdoreg